元夫が再婚した場合に請求できる養育費の額について，
再婚相手に収入がなく，再婚相手との間に子がいる場合についての記事を過去に書きました→こちら
同じ事例で，再婚相手に収入がある場合を考えてみたいと思います。
（登場人物）
X（元妻・収入あり），子A（１０歳）
Y（元夫），再婚相手Z（収入あり），再婚相手との間に生まれた子C（０歳）
X（元妻・収入あり），子A（１０歳）
Y（元夫），再婚相手Z（収入あり），再婚相手との間に生まれた子C（０歳）
X（元妻）が，Y（元夫）に対し，Aの養育費として請求できる額は，いくらになるでしょうか。
今回は算定表が使えないので，こちら（養育費の算定方法）の方法で計算してみます。
-
再婚相手(Z)に相当の収入がある場合は，再婚相手(Z)をYが扶養する相手として考慮せず，子ども達だけが義務者(Y)と同居したと仮定して計算します。
-
再婚相手との間に生まれた子(C)に対しては（Yだけではなく）再婚相手(Z)も扶養義務を有していますので，Cの生活費指数についてはYとZとの収入比によって按分します。
Ｘの基礎収入を１００万円，Zの基礎収入を１３０万円，Ｙの基礎収入を２５０万円と仮定します。
（生活費指数は，X・Y・Zが１００，子A・子Cは６２です。）
- Cの按分した生活費指数＝６２×｛２５０／（２５０＋１３０）｝≒４０．８
- Aの生活費＝２５０×｛６２／（１００＋４０．８＋６２）｝≒７６．４万円
- Ｙが分担するAの養育費＝７６．４×｛２５０／（１００＋２５０）｝≒５４．６万円（年額）
- ５４．６万円÷１２≒４．５万円（月額）
ＸがＹに対し，Aの養育費として請求できる額は，月額約４．５万円となります。
もうひとつ事例で計算してみます。
（登場人物）
X（元妻・収入あり），子A（１５歳），子B（９歳）
Y（元夫），再婚相手Z（収入あり），再婚相手との間に生まれた子C（０歳）
X（元妻・収入あり），子A（１５歳），子B（９歳）
Y（元夫），再婚相手Z（収入あり），再婚相手との間に生まれた子C（０歳）
Ｘの基礎収入を１００万円，再婚相手Zの基礎収入を１３０万円，Ｙの基礎収入を２５０万円と仮定します。
（生活費指数は，X・Y・Zが１００，子Aが８５，子B・子Cが６２です。）
- Cの按分した生活費指数＝６２×｛２５０／（２５０＋１３０）｝≒４０．８
- A，Bの生活費＝２５０×｛（８５＋６２）／（１００＋４０．８＋８５＋６２）｝≒１２７．７万円
- Ｙが分担するA，Bの養育費＝１２７．７×｛２５０／（１００＋２５０）｝≒９１．２万円（年額）
- ９１．２万円÷１２≒７．６万円（月額）
ＸがＹに対し，A，Bの養育費として請求できる額は，月額約７．６万円となります。
